中部銀次郎

上達を願って25年

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(1)

自分の意志を、他人に正確に伝えるというのは、やはり至難の技である。ましてや、文章にしてとなると、なかなか思うようには、いかない。

ちょうど、この特別寄稿をはじめて1年になるが、私の気持ちが、果たしてわかってくれたのだろうか。私の表現不足のところを、よく解釈してくれて、何とか読んで頂いた読者も多いかも知れない。

私が、幼い頃ゴルフを始めて、今日まで、その目的は“うまくなりたい”ということだった。どうすればうまくなれるか。どうすれば、いいショットが打てるようになるか。どうすれば、他人よりもひとつでも少ないスコアであがれるか。そして、どうすれば、勝てるか――。

言葉に表わすと、こんな単純な疑問を何十年となく自分の中で繰り返えし、悩み、そして、考えあぐんで来たのであった。そして、よくひとからそんな質問をされても、即答できないのである。だから「練習」ですね、と逃げてしまうのだ。いや、実際、練習すること以外、その疑問の解答に近づく言葉というのは、見当たらないようである。

だから、私は、ただやみくもに練習すればいいということではなくて、もっと効果的で、充実する練習(いや練習というとボールを打つだけのそれと間違われるのでトレーニングとでも言おうか)方法について書いて来た。

ゴルフが、精神的な部分での作用が、非常に大きく左右することは、今更言うまでもない。だからこそ、それについては、長い時間をかけて書いて来たつもりである。

そして、よく“技術”についての質問を受けるが、私は、スウィングについては、余り書きたくない。何故なら、読むひとそれぞれに、自分のものをもっているし、違うのである。このページで書いても、読者に混乱を及ぼす可能性がかなりあると思って、あえて触れなかった。その多くを、私の経験の中からの精神的なものにさいたのも、そういった理由なのである。

――私が、何故プロにならなかったのか。とよく質問を受けたが、プロに転向しようかと過去に、2回ほど考えたことがあった。が、私は、ゴルフは大好きであるが、プロとして、あの過酷な世界の中で戦って行く人間ではないのである。実際、自分自身が、勝負師というか、競うことにそれほど向いている人間ではないのである。それに、ゴルフが好きだということや、うまくなりたいということと、プロフェッショナルとして生きて行くということとは、やはり多少のニュアンスの違いがある。そのほかの理由も手伝って私は、アマチュアとして一生を通してみたいと思ったのである。

今は、ゴルフをすることが楽しくて仕方がない。ちょっとキザな言い方をすれば、ゴルフがなくなったら生きて行けないのである。週1回か、多くて2回のプレーが楽しいのである。

(2)

今、私は、週刊アサヒゴルフの編集部に頼んで、読者の中から何人か参加者をつのって、一緒にプレーする機会をつくりたいと思っている。そして、実際に、みなさんの悩んでいるものを、私が手伝える限り、お手伝いをしたいと思う。それは、技術的にここが悪いとかいった面だけでなく、ゴルフというものを大きく考えて、精神的にも、その心構えにおいても考えて行って、ゴルフィングをしたいと思うからである。是非、参加して欲しいと思う。

そうして考えて行けば、アマチュアゴルフが、今まで以上に楽しく、面白いものになることだと思うし、ゴルフ自体が、もっと充実感あふれるものになると思う。

――私は、今まで自分が、こうしてゴルフを続けることができたことを、非常に嬉しいことだと思っている。そして、今までに日本アマチュア選手権をはじめとして、数々のタイトルを獲得できたことも幸いだと思っている。そして、その間数多くの先輩たちに出逢い、自分ではつかめなかったものを教わったこともそうである。

私が、生まれてはじめてゴルフというものを知り、クラブを握ったときに、親父や兄たちという素晴らしい先生。特に親父については、私の中に今でも教訓として、いや潜在意識としてあるゴルフィングということについて、これはもう、完全に自分のものとしてある。そして、ゴルフをする上に於いて、その親父の見せてくれた態度が、いちばん大切なものであるということは、私にとって非常に幸運なことではなかったろうか。

よく親父には、叱られた。

そんな光景を思い浮かべるとき、ゴルフに対する親父の気持ちが、私の中にいっぱいに広がって来るのである。

また、ゴルフを通じて知り合った友人たちも多い。ゴルフには、そんな楽しいこともあるのである。

現在、アマチュア・ゴルフというものが、だんだん、その存在すら不確かなものになりつつあるように見えて仕方がないのである。アマチュア・ゴルフを愛するひとりとして、私は、本当の意味でのアマチュア・ゴルフの素晴らしさというものを、もっともっと理解して欲しいのである。

そのためには、私のできる限りのことをしたいと思う。ちょうど1年前。この特別寄稿をはじめるにあたって、私は、私なりに書きたいことを、言いたいことを言わせてくれるならと引き受けたのである。そして1年間。私のもっているものを、惜しまずに書いて来たつもりである。今度は、皆さんの悩みを私に下さい。そして、私ができるだけのことをしたいと思う。何でもいい。こんなことを……と思うことでも、いや実際、こんなことと思う中に、かなり大切なことが多いときがあるのだ。編集部あてでいいから、どしどし送って下さい。

――さて、もうすぐ日本アマチュア選手権がはじまる。(6月21〜24日、霞ヶ関カントリー倶楽部)私も、この大会に参加を予定している。果たしてどこまでできるかは、わからないが、頑張りたいと思う。試合に出て、プレーすることが、私は、好きだし、楽しいのである。そしておそらく、また何か、新しい悩みが増えることだろう。私のゴルフ人生。楽しさの中にも、どうやら悩みと楽しみの繰り返しのようである。