中部銀次郎

ポカは、交通事故と同じ

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ショットとスコアが果たして同じ結果をもたらすかどうかという問題について先週書いた。

結論は、無縁に近いものであり、また縁があるものでもあると言った。つまり、ショットの内容が悪いから(満足のいくものでない)と言って、必ずしもスコアが悪かったとは言い切れないし、その逆もある。事実、私自身も、また試合中でも、そういうことはあった。

もっと逆に考えれば、ショットが悪くてもスコアをまとめる手だては、いくらでもあるということである。極端に考えてみよう。例えば、ここに、いつになっても1ラウンドで100を切れない人がいるとする。仮にAさんとする。さして練習熱心ではない。当然、ショットもダフリあり、トップ、チョロありと、それはバラエティに富んでいる。

しかし、こんなAさんでも、100を切る手だてはあるのだ。少なくとも100ぐらいのスコアまでは、ほんのちょっとしたことでいくらでもスコアが縮まるしそれは、いくらでも叩いてしまうということにも置き換えられるのである。その“実験”は、いずれ実際にやってみたいと思うのだが、このAさんにしても、考えようによっては、シングルを目指すことが、ほど遠いということはないのである。

さて“初めはみんな下手、今も……”というタイトルで、犯しやすい、陥りやすい状況やミス、考え違いなどをシリーズで書いているが、今回も、そのAさんから出た話を書いてみたいと思う。

「いや、ハーフでね。残り3ホール、例えばボギー・ペースで回ったら50が切れるとか、この最後のホールでうまく行けば……。なんて思うでしょう。すると必ずと言っていいほど、崩れてしまうんですよね」何故か。と言うのである。これは不思議なもので、誰でも経験がある。高いレベルで考えても同じことだ。優勝を目前にして、急に、あれよという間に崩れ落ちてしまう。

これは、自分が窮屈になってしまうからである。いや、窮屈にしてしまうのである。ここをパーで切り抜けたら……と思って、ティ・グラウンドに立つ。よしとにかく安全に、安全に……と守りのゴルフをする。すると、ティ・グラウンドで目につくのは何だろう。左右のOBや林、風、ナイス・ショットへの期待……そこから始まって考えて、ここへ落としては行けない、すると落とし所はここしかない……果たしてそういうときに限って、その落としてはいけない所に落ちたり、OBが出たりという結果をもたらすのが常だ。

数を気にしなければいいスコアが出ることもある。だが、この場合、そこまで自分を窮屈にしてしまうと、そのほとんどが悪い結果をもたらすのである。言ってみれば、悪いスコアは、その窮屈に対する反作用と言えるのである。

この“窮屈”な気持ちというのは、1回や2回では克服できるものではない。では、その窮屈に対して、どう処理すればいいのか。これは、ほとんどが精神的作用である。そしてたった1ショットの結果だけで判断しないで、このときこそ球打ちでなくスコアの形成を考えるべきなのである。

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この“窮屈さ”とは、全く違ったことで、ポカというのがある。結果的には、ふたつともスコア面での悪さを言っているのだが、よく「ハーフで必ず1ホールは、8とか9とか大叩きをしてしまう」という人がいる。この大叩き――ポカは言ってみれば交通事故のように、いつ、どこで出るかわからないものである。それが出ると、一種のクセのようになってしまって、ラウンドするたびに、観念的に自分で、そのポカをつくりあげてしまうのである。

うまくなっても同じである。スコア的には、パー4で8、9を叩くのと、パー4で、ボギーを叩くのとでは違うが、このボギーにしてもポカ的種類のものは多い。叩いてはいけないホールで何となく叩いてしまう種類のボギーである。

ある意味では、気が抜けたゴルフをしてしまうから起きるものである。また、1回のミスから、その上に2重のミスを平気で加えてしまうのもそうである。同じバンカーからの脱出でも、ピンをデッドに狙わなければ楽に出るのに、狙えるだけの技術をもちあわせないでも狙ってしまう。1回で出ない。すると、デッドにねらうことを諦めたかと思うと、そういう人に限って絶対そうしない。また狙う。出ない。これは、もう言いようがない。では、ポカを治す方法は、と聞かれると非常に困ってしまうのだが、ミスのつみ重ねならば治療法はある。だが、そのほかの理由(理由がほんとうはないので困るのだが)では難しい。このときは、まずデータをとる。いったいどういうときに、このポカが出るのか。そのデータを分析することが、いちばん早い。

このふたつの問題。ビギナーに多いのだが、これだけを考えても、スコアはすぐに縮まることは確かである。しょせん人間がゴルフをするのである。すべてが正確にと思うのはいいが、その理想だけに走りすぎて、ミスした場合のことを全く頭に入れないというのは、絶対にのびない。逆に言えば、ミスしたときに、ダブル・ミスを犯さないだけの考えと技術。それをどのぐらいバラエティに富んで自分が持っているかということで、スコアはかなり大きく変わって来るのである。

とにかく、はじめはみんな下手だったのである。同じ下手からのスタートでもって、今も……ということをなくすには正確なショットを望む以外に、まだまだたくさんあると思う。

300ヤード飛ばそうと必死になってドライバーの練習をするのもいいが、単に、ゴルフが球打ちだという考えから、早く脱出して、18ホールの組み立てを考えた練習なりプレーを楽しむ方が、はるかにいいのではないだろうか。

こういった質問は、よく聞くことだが、来週はひとつ「最初のハーフがいいと、後半が崩れる」また、その逆に、前半が悪いと、後半がいいといったことについて書いてみたいと思う。面白いことにと言っては失礼だが、この種の問題には、ちゃんとした答え(証明)がある。それを十分自分自身で理解したときに、スコアに、グーンと違いが出て来る。