(1)
初めは、みんな下手。今も下手――。なぜか、うまくならない、のである。いや、もっと正確に言えば、わざわざ上達を遅らすべく努力?している人がかなりいるようで。無駄づかいが多い。
で、どうしてうまくなれないのか。体験的に、この大いなる難問を考えてみたいと思う。
そのパート・2として、限りなく無縁に近く、限りなく因縁のある“ショットとスコア”の関係について――。
ホール・アウトするなり、
「今日のショットは、本当によかったなあ」
と言ってハウスに入って来たAさん。でも、果たして本当に良かったのだろうか。という疑問は、たくさん残っている。Aさんのいう“ショットが良かった”という内容が、どういうものであるのだろう。
往々にして、スコアが良かったから、そして、大きなミス(例えば、OBやソケットなど)が出なかったから、ショットがいいという。良いスコアが出たときは、みんな、このひと言でかたずけてしまうのだ。この際、ちょっとぐらいのミスは、みんな帳消しになってしまう。
が、これが、逆に「今日は、ショットがメロメロだ」というときは、ダブル・ボギーとかトリプル・ボギーを叩いたとき(ただの1ホールであっても)であろう。
つまり、自分が許容できるスコアの間をウロチョロしている間は、絶対にショットがどうなどということは考えてもいないのである。ところが、たった1回のOBやミス・ショットがでても「今日は1日ドライバーが悪かった」という錯覚に陥りやすいのである。
スコアがいいんだから、ショットがいいに決まっているじゃないか、と言う人がいるかも知れないが、これは、大きな間違いである。いや、この大きな間違いを、自分の中でしっかりと自覚すべきである。ショットがいいからと言って、スコアに全部結びつくとは、限らないのである。
では――。
あなたは一体、ショットなるものが、どれぐらいの確率で正しく飛んで行くか考えたことがありますか。まず、おそらく誰でも平均して15〜20パーセントぐらいの確率しかその正確さはないのである。例にとってみれば、18ホール中、14ホール、ティ・ショットでドライバーを使うが、その14ホール中の20パーセントとして、3ホール弱しか、自分の狙ったところに飛ばないと思う。
ところが、20パーセントの成功度しかなくても、自分の許容スコアで納まってくれれば、何の苦にもならずに「ショットは、良かった」ということになってしまうのである。それでも、20パーセントじゃ不満だ、その正確度を50パーセントに……高めたいと思うとなると、いったいどれだけの練習量が必要なのか。とてつもない大訓練をしてもどうかというくらい大変である。練習するなとは言わないが、ナンセンスである。いや、言い過ぎかも知れないが、その前に考えなくてはならないことがある。つまり――。
「ショットとスコア」が同一であると思っているところに間違いがあり、これを意識の中で調節することのほうが、大訓練よりも楽で、大切なことではないだろうか。
(2)
3ホールほどパーが続いたとする。うん、これはいい、今日は、ショットがいいぞ……で4ホール目にさしかかる。するとドライバーをチョロしてしまった。すると、このたった1回のチョロで、全部崩れてしまうのだ。おかしい。スウィングがどこかおかしい……。
でも、ここで、チョロしても、少なくとも前に何メートルかボールは運ばれているのである。次のショットが飛べば、そして、パーや、ボギーであがれば、それでいいのである。チョロとクサらないでボールが前にいってくれたと思えるほどにセルフコントロールできれば、それで解消される問題なのだ。
つまり、我々は、いかに確率の低い中で、ゴルフをやっているということの認識が必要である。
いい例が、練習場に行きます。パターを除いて、13本のクラブを練習します。で、1本のクラブにつき10発。狙いを定めて打ったとする。10発中何発が狙い通りに落ちるか。その13倍で130発。その何パーセントが狙った所、同じ所に打って行けるのだろうか。10〜20パーセントぐらいでは?
つまり、それだけ確率の低いゴルフを実際にやっているにもかかわらず、本人は、なんと100パーセントの確率で打てるような意識でプレーをしてしまい、それが、何となくケガの少ない所でいるうちはいいのだが、OBやソケット、ダフリ、チョロ、トップなど出はじめると急に起きたことのようにビックリしてしまって、乱れてしまうのである。
スコアを形成するのが、ひとつひとつのショットではあるが、そのひとつのショットを、自分が放つショットを信頼しすぎてもいけないのである。信頼してもいいが、常に裏切りがあるという認識も必要なのだ。そして、裏切られても、そのワン・ショットで全部スコアをメチャメチャにされることはないのである。1ショットは、たったの1ストロークでしかない。
いい例が、パー・オンするホールというのが18ホール中どのくらいあるか考えてみればわかる。4なら、2オン2パット。5なら3オン2パット……。こんなにかっこ良く行かないのが常である。それでもパーはとれる。ボギー・ペースなら尚更である。ところが、かっこよく行かないとなかなかみんな納得しない。それが間違いだ。そんなことを考えたら、村上隆プロは、絶対にアンダー・パーは望めないことになる。でも、村上プロはちゃんと63というスコアを出してしまう。
高い技術でも、低い技術でも最終的には、考えは同じなのである。
確率の低いゴルフをしているからこそその低い中で、スコア・メイクをより考えることになり、それが逆に、上達をうながして行く大きなポイントにもなるのである。
初めは、みんな下手。いまも下手――。この言葉が私を育ててくれた。
