ゴルフクラシック INSIDEOUT 2001年01月号 不動裕理が年間獲得賞金額で1億円を突破した。これは日本女子プロ史上初のことである。まあ、考えてみれば、樋口久子がずっとトップにいた、試合数と賞金額の少ない時代と比較するのは、ベン・ホーガンとタイガー・ウッズの強さを比較するのと似ていて無意味なのかもしれない。 ただ、2位の選手が稼いだ賞金額のおよそ倍を不動が稼いでいるという点では、紛れもなく2000年は圧倒的に"不動ひとり旅"だったといえる。 さらに、女子の日米対抗戦で、日本チームが16年ぶりに米国チームに勝ち、その大会でも、3日間連続で不動が勝ち星をあげていることを見ても、不動の強さはホンモノだといえよう。 不動は、24歳。身長も156センチと、いまの女子プロ界では小柄である。九州女学院高校(熊本)3年生のときに、日本女子オープンの2日目、アマチュアでありながら3位につけて話題になった。 10歳のころからゴルフを始めて、清元登子がコーチをしている。清元は、いまは日本女子プロゴルフ協会の副会長だが、かつてアマチュア選手としても実績があり、69、72、73年と日本女プロツアー公認のトヨトミ・レディースに優勝してしまった経歴がある。その後、プロ転向して、プロとしても活躍した。 女子プロゴルフ協会内部の確執と騒がれて話題になった会長選挙、その後の辞任騒動の渦中の人物になったこともある。しかし、協会内部では、インストラクター(レッスン)部門で、ずっと力を注いできていた。だから、後輩の指導、あるいはコーチとしてのゴルフ哲学、理論武装は、しっかりと持ち合わせている。 さらに清元のキャリアやゲームマネジメントは、アマチュア時代から定評があったし、スイングは、当時から女性的なそれでなかった。 そういう背景をもっている清元のまな弟子が、不動である。不動と対照的に、ぶっきらぼうで無口な清元が、どんな教え方をしているのか、僕は、とても興味がある。 僕は、なんとなく清元を見ていると、ベン・クレンショーやトム・カイト、デービス・ラブVたちを教えていたハーピー・ペニックを思い浮かべてしまう。愛想がよくて、じょう舌で、商業主義的なにおいを漂わせる最近のティーチングプロのようでなく、ペニックのように口数は少ないけれど的確で、ゴルファーの心をとらえることのできるコーチなのだろうと思う。 このところ、2年連続して賞金女王を獲得する選手が、少ない。ほとんどが"1年女王"である。そんな中、不動がしっかりと日本に腰を据えて、賞金女王を連続して取ってほしいと思うのだ。そういうリーダーシップをとれる選手がいないと、日本の女子プロ界も、注目度に欠けるような気がしてならない。 |
||
| >>> back next <<< |